東証 メモリー故障で「終日取引停止」1999年以降初の事象
東京証券取引所は10月1日、午前中に発生した障害を受け、立会内取引及びToSTNeT取引の全銘柄について終日取引を停止する。
障害の原因は、「ハードウェアの障害と、障害の起こった機器からバックアップへの切り替わりが正常に行なわれなかったことで、相場情報が配信出来なくなった」としている。今後、ハードウェアの交換を行ない、明日以降、正常な売買ができるよう対応していく予定。
本日は、仮に再起動した場合における投資家や市場参加者への混乱が想定されることから、終日売買を停止した。
なお、10月1日には「ひろぎんホールディングス」など3社が新規上場の予定だったが、株式の売買ができない状態になった。
上場3社に対して、東証の宮原社長は「多大なご迷惑をおかけして申し訳ないと思っている。」と述べた。
ハードの故障が原因
障害の原因は、株式売買の基幹システムを開発した富士通6702.Tと共同で調査を行っている。
原因は株式取引システムの「アローヘッド」のハード(設備)の故障で、現段階で不正アクセスの可能性はないとしている。
同じシステムを使う札幌、名古屋、福岡の各証券取引所も全銘柄の売買を終日停止した。
一方、先物取引が中心の大阪取引所は稼働しており、日経平均先物12月限は前日比130円高の2万3310円で取引を終えた。
トラブルが起きたシステムとは
東京証券取引所によりますと、取り引きのシステムには大きく分けて売買の注文を処理するものと、投資家などに情報を提供するものの2つがあります。
今回は、情報提供のシステムにトラブルが起き、日経平均株価や
個別銘柄の株価、それに売買の成立状況など、投資家にとって重要な情報を配信できなくなりました。
arrowhead(アローヘッド)とは
2010年1月4日に新たな株式売買システムサーバ「arrowhead(アローヘッド)」が稼動した。
基幹IAサーバは富士通「FUJITSU Server PRIMEQUEST」、Red Hat Enterprise LinuxベースのOS、ミドルウエアは新開発のオンメモリデータベース「FUJITSU Software Primesoft Server」。
売買注文1件あたり2〜3秒から5ミリ秒程度に短縮され、2010年1月の実績処理速度は平均2ミリ秒、2015年のリニューアル前の段階で1ミリ秒。人間の目視や反応時間を超える処理速度は、機関投資家やデイトレーダーの行動に影響も懸念される。
2015年9月24日に arrowhead がリニューアルし、注文応答時間は0.5ミリ秒になった。
サーバー間は InfiniBand で接続し、FUJITSU Software Primesoft Server にてメモリ上のデータの同期を行っている。データベースはソリッドステートドライブ上に構築した、FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for HA Database になった。
オペレーティングシステムは Red Hat Enterprise Linux と Microsoft Windows Server。
10月1日新規上場予定の企業一覧
- 広島県広島市の地方銀行「ひろぎんホールディングス」
- 東京都港区のペット保険会社「アイペットホールディングス」
- 東京都中央区のネット証券会社「インヴァスト」
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