2025年10月に行われるワンマンツアーをもって、4人組ロックバンド「感覚ピエロ」が解散することを発表した。突然のニュースに驚きと寂しさが広がる一方、その決断にはバンドの誠実さと強い信念がにじむ。
感覚ピエロは2013年に大阪で結成。インディーズで活動を続けながらも、映画『22年目の告白―私が殺人犯です―』やドラマ『ゆとりですがなにか』など、話題作の主題歌を担当し、中毒性のある音楽と唯一無二の存在感で注目を集めた。音楽業界の中でも「型にはまらないロックバンド」として、多くの支持を集めてきた。
今回の発表では、「活動休止」ではなく「解散」という言葉が選ばれた。その理由については「メンバーそれぞれが自らのこれからと真剣に向き合い、何度も話し合いを重ねた結果」とし、言葉の端々から“逃げない姿勢”と“覚悟”がうかがえる。
何よりも印象的だったのは、ファンや関係者に向けた数々の「感謝」の言葉だ。突然の知らせに驚く人も多い中、最後まで誠実に気持ちを届けようとする姿勢は、まさに感覚ピエロらしい。
彼らが残してきた音楽は、時に痛みを、時に希望を代弁し、多くの人の心に寄り添ってきた。これからのライブは、別れを惜しむ場であると同時に、彼らが積み上げてきた12年を称える“祝祭”でもあるだろう。
解散後、メンバーたちはそれぞれの道を歩むことになるが、感覚ピエロの音楽とメッセージはこれからも色あせることはない。ファンの胸には、いつまでもその熱と魂が刻まれ続けるに違いない。