女優・栗山千明(40)が今、かつてない輝きを放っている。かつては「神秘的で近寄りがたい美少女」というイメージで注目を集めた彼女だが、40代に突入した今、むしろその“親しみやすさ”で多くの視聴者に愛されている。
代表作の一つであるテレビ東京系の深夜ドラマ『晩酌の流儀』は、今夏放送中の「シーズン4 ~夏編~」に続き、異例の2クール連続放送が決定。10月からは「~秋冬編~」がスタート予定で、半年にわたるロングランとなる。
これは同局の人気シリーズ『孤独のグルメ』や『きのう何食べた?』をも上回る異例の措置であり、栗山の出演がもはや“信頼のブランド”となっていることを裏付けている。
クールな美少女から、笑ってビールを飲む等身大の女性へ
栗山千明といえば、映画『バトル・ロワイアル』(2000年)や『キル・ビル Vol.1』(2003年)など、強烈な印象を残す役柄で知られてきた。その美貌と存在感から、ホラーやダークな役に多く起用され、“近寄りがたい系”の象徴として記憶する人も多いだろう。
しかし近年は、深夜帯ドラマを中心に“振り切った役柄”や“クスッと笑える演技”で新たな魅力を発揮している。特に『晩酌の流儀』では、ビールを美味しく飲むためだけに走ったり、信号待ちで足踏みをしたり、着ぐるみに自ら入るといった体当たりの演技を披露。美人でありながらもどこか「笑える」キャラクター像を自然に演じている。
さらに、ビールを喉をそらせて豪快に飲む姿には、作り込まれた演技ではない“素の楽しさ”がにじみ出ており、視聴者の共感と親しみを呼んでいる。
深夜ドラマという“舞台”を最大限に活かすプロフェッショナル
近年、ゴールデン帯の主演枠が若手中心に移りつつある中、栗山は“深夜ドラマ”という限られた尺と予算の舞台でこそ、最大限に魅力を発揮している。
深夜ドラマは自由度が高い反面、演技力や演出力が問われる場でもある。その中で、彼女は決してオファーを断らず、毎作品で全力を尽くす姿勢を貫いてきた。結果として、制作サイドからの信頼も厚く、キャスティングの“切り札”的存在となっている。
「親しみやすさ」と「確かな演技力」、そして「振り切れる覚悟」。それらを併せ持った栗山千明は、深夜ドラマの世界で確固たるポジションを築いている。
神秘からチャーミングへ――40代で迎えた女優としての円熟期
かつての“神秘的な女優”という印象とは一線を画す、今の栗山千明。むしろ40代を迎えた今のほうが、「チャーミングで共感できる女性」として支持を集めている。
最新作『彼女がそれも愛と呼ぶなら』では、3人の男性と同居するという一見“魔性の女”的な設定ながら、実際には悩み多き一人の女性として、等身大の姿を見せた。こうした役柄にいやらしさを感じさせないのは、栗山の持つ“自然体の魅力”あってこそだ。
世代を超えて支持され、今なお進化し続ける栗山千明。深夜という静かな時間に、彼女の存在は確かに輝きを放ち、視聴者の心を掴んで離さない。
今後もその“晩酌の流儀”のように、等身大で、心地よく、そして美味しそうに――栗山千明は、自分だけの演技人生を味わい続けていく。